鉄パイプは塩ビパイプに比べてシナリは少ないが、あまり長くなるとシナリが出て取り回しが難しいので、連結部分を固定したパイプの長さとしては約7mが限界だった。
このため掘る深さが7mを超えてからは、パイプの上げ下げ作業の都度、7mのパイプと追加延長用のパイプとを脱着する仕組みにした。
パイプ上端のハンドルは掘削時に体の肩から膝までの間の位置にないと力を入れにくく回転させにくかった。
掘る時の足場の安定も必要で、不安定な脚立等が使えなかったので、身長の関係からパイプの延長は1mづつとせざるを得なかった。
パイプの延長方法は、元のパイプにまず1mパイプを連結延長し、その次に延長する時は先に連結した1mパイプを取り外し2mパイプに入れ替え連結した。
これにより連結箇所を少なくし重さを押さえ、パイプの曲がりを少なくするようにした。
パイプの連結と取り外しは手間で時間がかかり、全作業のなかで大きい割合を占めた。
掘る時に力いっぱいハンドルを回しても鉄パイプが捻じ切れることはなかった。
しかし固い土に掘り刃が食い込んだ際、パイプが捻転したままの状態で力を抜くと逆回転力が発生し、この時ハンドルから手を離すと、ハンドルが逆回転し体を強打する危険があった。とりわけハンドルが頭(顔)付近にあると危険なので、肩の位置より下での作業に心掛けた。
6m付近を掘っていた時のパイプ(=連結部固定パイプ、2mx3本+1mx1本 計7mの長さ)及びパイプの連結部分。
パイプをもたれかけるヤグラ(櫓)は必須。 パイプの先端が重いと上げ下げや取り回しが難しいので、ハンドルは軽量のものにした。
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掘り機側パイプ(連結部固定の約7m)とハンドル側パイプ(1mから4mまで段々伸ばしていく)の2本を脱着しながら作業した。最終的に全長10.5m、総重量約10kgになった。
パイプを出し入れする際に掘り機側パイプとハンドル側パイプを着脱するため、一方のパイプを保持しておく保持板を作った。保持板は片方に丁番を付けた可動式、使用時以外は作業のじゃまになるのではね上げておいた。
パイプのつなぎ〜挿入、掘り進め:
掘り機側パイプを穴に入れ保持している状態。
つなぎ部分のパイプは強い力がかかってもネジ穴が変形しにくい外径19.1mmx厚さ2mmの肉厚のパイプを使用。掘り機側パイプのつなぎ部分に空回り防止のネジを付ける。
掘り機側パイプにハンドル側パイプをつなごうとしている状態。
2本のパイプをつないだ状態。ハンドル側つなぎ部分は掘り機側パイプ(外径19.1mm)が差し込める内径19.8mmのパイプを使用。
つないだパイプが外れないようにクランプ2個で締め付ける。これでまず外れることはない。ただ、クランプのネジ山がぼけやすい。
パイプのつなぎがはずれた時の落下防止用ワイヤーをかける。
パイプ全体を保持金具からはずして穴底まで下ろし、ハンドルを押さえ込みながら右回転させ掘り込む。
パイプの引き上げ〜土砂取り除き:
掘ったあと、パイプのつなぎ部分まで持ち上げ、はね上げておいた保持板を下ろし、パイプを保持金具に掛ける。
つないだ時の逆手順で、まず上側=ハンドル側のパイプを取りはずしヤグラに立て掛ける。
次に下側=掘り機側のパイプを保持金具からはずし引き上げ、パイプの最下部を作業用の板に乗せ、上部はヤグラにもたれ掛ける。
受け皿の土砂取り除きはスコップや水道水を使ったりいろいろな方法で。
以上の作業を繰り返えし掘り進めていった。
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